マーラーの第9

凄まじい演奏だった。
大植英次指揮
ハノーファ北ドイツ放送フィルハーモニー
追記)
実はマーラーの曲はほとんど聞いたことがない。
第9番もCDを持っているが聞いたのは2度程度。それも「ながら族」。
マーラーの曲はライブで勝負しかない。そんな感じなのかも。
曲についての先入観も,マーラーは死を意識して第9を書いたこと。長い曲であること。そんな程度か。
第1楽章。正直,マーラーの曲であることは疑いないという程度のもので,他に感想を語るほどの印象はない。
第2楽章はマーラー作品によくお目見えするレントラー。実にゆっくりと奏でられる。今踊っているというより,かつての踊っていた時代を回想するシーンであるかのような演奏。私は聞きに行かなかったが,先日の第5番のときには,全体的にゆっくりとした演奏であることが多くの意見を引き出すことになったことは記憶に新しいところ。第9においても,舞曲でさえ明らかに意図的にゆっくりと演奏していることは,相当の思い入れと覚悟を感じさせる。第5番のときにの雰囲気は解らないのだが,9番について言うなら,曲全体のイメージから思うわけではないが,とても説得力を感じた。舞曲というのは,人生をあらわすのに適切な音楽なのかも知れない。
3楽章。美しい。また,メリハリのきいた締まった音楽でまとまった。特にトランペットのソロが美しい。このような音に接することができるだけでも幸せ。
大植氏がバイロイトに登場することとなった折りには,バイロイト祝祭管弦楽団のメンバーでもあったNDRの首席トランペット奏者の尽力があったとの記事を読んだように覚えている。その方は死の床にあるときに,大植氏が病室を訪問する折,マエストロが来るといって,自らの身体につけられていたチューブを全部取り除いてきちっとした身なりで迎えたというものだったと思う。美しくまた力のある音を聴くと,言葉がない。
最後に,第4楽章。
いつ果てるとも知れない音が連なる。
しかし,それもいつかは消えていく。
絶望ではなく
安らぎへとつながるオーケストラからの最後の音が紡ぎ出された後は,
静寂のみ。
絶品。
演奏には,
マエストロを慕うオーケストラの人々の気持ちも表れていたと思う。
ドイツ系の大男が大勢有る中で,マエストロは体格だけで言うならば子供のようにも見えてしまう。
そのような人が,ドイツ音楽の歴史と体格で優るドイツのオーケストラからの信望を得ていると言うことは,素晴らしいことである。
今後,
大フィルにはこれを超えていただかなければならないのだろう。
そして,大阪の人はハノーファの人々を超えなければならないのだろう。
会場の盛り上がりは,その予感を漂わせるものではあった。
しかし
大阪で空席が出ているようでは寂しい限りであるようにも思えた。
読ませていただいた記事をコメント欄に載せさせていたいています。


jupiterさん>
情報提供ありがとうございます。
マーラーの9番は
特に人生観や
人の生き方が反映する曲なのでしょうね。
この曲をもって
親との別れが出来るのならば
それはそれで
一つの親孝行ということになるのでしょう。
色々と親御さんには心配をかけていた大植氏でしょうから
広島でのコンサートにかける思いはひとしおだったのでしょうね。
投稿: 本人 | 2009年6月25日 (木) 16時27分
リンクありがとうございます
昨日広島フェニックスホールで2回目を鑑賞しました。
故郷凱旋ということで、監督は更にハイテンションな雰囲気で指揮台狭しと・・・タクトさばきも鮮やかでした。
管は大阪の方が滑らかだったように思いますが、終演後
客席にヒラリと舞い降りて客席の亡母上の遺影に白いユリの花束をささげKISSを。
優しい包み込むような本当に人間味溢れるマーラー
原点に戻られたのでしょうか、晴れ晴れとした表情でした。
投稿: jupiter | 2009年6月23日 (火) 12時05分
Ardbegー17さん>
初めまして、そしてコメントありがとうございます。
名古屋から駆けつける
その行動力と情熱に、感服!
しかし、ドレスデンやモスクワでも客の入りが少なかったとなると深刻ですね。いずれも聞きに行きたかったものであることを考えると、複雑な心境ですね(お代が高すぎるのも問題だとは思いますけど)。
そのようなことを考えると、今回の演奏会が満席でなかったのはある意味納得の出来ることなのでしょうね。私も、その点は思っております。
ただ、プログラムにあるように、NDRの定期会員は5年待ち等のことを考えますと、契約問題等色々あるのでしょうが、大植氏がNDRの第一線からは去って、大阪が続いているという現実を考えると、大阪に集う人達の方が凄いとハノーファの方々が納得する形であって欲しい、そんな思いがあってのことです。
大阪市の援助はあれども、大阪府の援助は影が薄くなる方向にあり、また、トップの人柄を見るに大阪府政の方針が変わりそうもないことを考えると、結局、大植氏の音楽を支えるのは、大植氏の演奏を聴きに来る人達の実績ということになるのかも、なんて思うと、いつも満席という実績こそが、風向きを変えるわかりやすい評価の基準なのだろう。
そんな思いもあっての表現です。
いちど没になってしまった
大フィルでのマーラーの第九。
いつ実現するのでしょうか。
その日が、楽しみですね。
投稿: 本人 | 2009年6月22日 (月) 04時57分
はじめまして!初めてコメントさせていただきます。

昨年春まで大阪在住、以後名古屋に転勤したのにしぶとく大フィル定期会員を続けている者です。
今日も名古屋から駆け付けた甲斐がありました!
「耳に心地良く流れる音楽」が評価を得やすい日本の音楽評論と完全に一線を画する大植さんの音楽づくり、とても共感しています。
今日も遅めのテンポ設定だったようですが、マラ九を初めて通して聴いた僕としてはとても説得力のある演奏でした。同じようなスタンスで演奏したであろうマラ5、個人的にはちょっとしんどかったですが、嫌味は全く感じませんでした。やはり形がどうであれ、真面目に練り上げられた音楽を常に演奏してくれる音楽家は尊敬できます。
それにしても最低あの水準の演奏ができるようになるまでは大植さん、大フィルの監督辞められませんね(笑)
最後に、今日の客入りは大健闘だと思います。4月のファビオ・ルイジとドレスデン、6月のスヴェトラーノフとモスクワ放響、いずれも客入りは半分ちょっとでした。決して安くないチケット代とマラ九一曲プロという条件を勘案すれば、大植・ハノーファーは大成功だと思います。
これからも大阪の音楽界を盛り上げていきましょ
長文失礼しました
投稿: Ardbegー17 | 2009年6月22日 (月) 01時00分
死を超えた、生かされてる素晴らしさを湛えた、凄まじい演奏(天井桟敷のつぶやき)
http://hironominv.blog.so-net.ne.jp/2009-06-21
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー 大阪公演 [コンサート感想] [編集](天井桟敷のつぶやき)
http://hironominv.blog.so-net.ne.jp/2009-06-21-1
最終公演(ぶなろべぐ)
http://blog.livedoor.jp/mnabenabe/archives/51355960.html
脱構築の先の自己肯定、そして明日へ・・・・NDRハノーファーフィル2009日本公演(不惑ワクワク日記)
http://plaza.rakuten.co.jp/gustav369/diary/200906210000/
素晴らしかった…100分(NOW OR NEVER)
http://blog.livedoor.jp/jupiter512/archives/51623169.html
愛がある演奏会!(ミュージック・オブ・ザ・ナイト)
http://blogs.yahoo.co.jp/darkside624/29709519.html
演奏会レポート:大植英次/ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー(PelleasのBlog)
http://pelleas.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-3ee3.html
マーラー9番!(てつくんのつぶやき)
http://ameblo.jp/tetsukun-blog0101/entry-10284836690.html
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー(クラシック鑑賞ノート)
http://jardingrand.blog5.fc2.com/blog-entry-21.html
天上の音楽かもしれない(今日のラッキー☆)
(http://blog.goo.ne.jp/grand_garop_chromatique/e/a3a6ebf9a19cc638df16e08c15ba0592
ホールに天使の階段が降りてきた【マーラー9番】( 木枯らし寅次郎の放浪日記)
http://blogs.yahoo.co.jp/kogarasitorazirou19751015/33037184.html
大植英次指揮 北ドイツ放送フィルハーモニー演奏会(酔いどれ音楽日記―一人の愛好家の独白)
http://sake-onnna-uta.at.webry.info/200906/article_3.html
待ち公演来る(金太郎飴ブログ)
http://loge7.blog19.fc2.com/blog-entry-42.html
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー(cogito ergo sum)
http://ameblo.jp/classics-audio/entry-10284878247.html
大植英次×ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー(cremaster5's blog ♂男前な音学)
http://blog.livedoor.jp/cremaster5/archives/51843817.html
大植英次&NDR マーラー9番(美味しい・楽しい・うれしい LIFE & WORK)
http://blog.goo.ne.jp/kumiyosan/e/95d80526d5ed8ac5a044f6b5c0e81ac9
7月2日追加)
【ベートーベン関連】
名前はまだ無い
(前編)大植英次/ハノーヴァー北ドイツ放送フィルハーモニーの演奏会を聴きにいった話
http://plaza.rakuten.co.jp/since20050828/diary/200907010000/
(後編)大植英次/ハノーヴァー北ドイツ放送フィルハーモニーの演奏会を聴きにいった話
http://plaza.rakuten.co.jp/since20050828/diary/200907020000/
(注;マエストロがスリムになった件についてのレポあり)
あれぐろ昆布漁:クラシック音楽のことなど
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー
http://mozart17561791.blog37.fc2.com/blog-entry-32.html
痛快!エブリデイ クラシック
大植英次&ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー
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JAKA PRZYJEMNA:)
喉仏とベートーヴェン
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大植英次指揮 ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー!
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オルフェウスの竪琴
2009年6月28日(日) 大植英次(指揮)/ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー (サントリーホール大ホール)
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投稿: 関連記事のリンク集 | 2009年6月21日 (日) 22時57分